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荒木哲郎の夢と26人の刺客
■刺客その1 『 キング・カズ 』

皆さんはじめまして。マッドハウスで演出をやっている荒木と言います。
このHPから、「何かしらコラムを」という申し出を頂き、
私が見た数々の、奇妙な夢の話を紹介させて頂くことにしました。

まず皆さんにお話する夢は、つい先日見たばかりの「キング・カズ」についてのものです。
今まで知らなかった彼の一面が明らかになります。
その舞台はサッカーチームのグラウンドでしたか…。

私は外国のサッカー選手とグラウンドの周りを歩いています。その選手はいま思い返すと「エクソシスト」のカラス神父でしたが、その時はサッカー選手ということになっています。そして当然のように私も「自分はサッカー選手」という意識でその場に臨んでいます。

以下はそのカラス神父の告白です。カッコ内は現在の私による補足解説になっています。

「俺たち2軍の選手は(らしいです)、何よりもチームのパーツになることを考えなくてはならない。自分本位で好きなプレイをするなんて、現在の俺たちが夢見てはいけない。自分の力をチームのために捧げること。それが俺たちにできる全てさ。(この辺、どうも私の普段の悩みが滲んでいる感じがします)」

そしてカラス神父は続けます。
「神のようなスーパープレイというものを見たことがあるか?俺にはある。あれは3年前のことだ。」

その情景は映画の回想シーンのようにして、私にも見ることができます。
「俺たちとヴェルディが練習試合を行って、キング・カズと俺たちは対戦した。俺は彼に是が非でも喰らいつこうとしたが、ついにマークを解かれ、彼にパスが回った。そして彼がシュートした時、驚いたことにビルのガラスが全部砕け散った。」

「ガラスが全部!」
私も驚きます。驚きながらその情景をありありと見ています。落下するガラスの破片がカラス神父のチームに降り注ぎ、それで絶命する選手もいます。

カラス神父は淡々と続けます。
「一流の選手のプレイには、そういうことがよくある(ねーよ)。それができない俺たちは、彼らの後方に回り、チームの一員としてバックアップする以外ないのさ。」
苦い気持ちで、私たちは話を終えた…。

刺客データ1:キング・カズ

刺客データ1:シャア・アズナブル

荒木は子供の頃「キャプテン翼」に憧れ、一応中学生までサッカー少年でした。しかし連載が終わる頃には、自分が好きだったのは「サッカー」ではなく「漫画」だと気付いてしまい、その後は完全に漫画人生になりました。よってプロのサッカーについて詳しかったことはなく、そんな私の脳が頑張って思い出した「名選手」がキング・カズだったのです。しかし夢の内容を省みるに、私はサッカーのルールすら、キチンと把握していたのかどうか怪しいです。こんなことならサッカーを経由せずにすぐに漫画を描いていればよかった。

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