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荒木哲郎の夢と26人の刺客
■刺客その9 『 世にも奇妙な純子 』

皆さんこんにちは。今日は2年ほど前に見た、「ちょっと不思議な」というか「世にも奇妙な」というか、そういう夢体験です。まあ生きてれば誰にだってひとつやふたつ、こういう体験があるかとは思いますが。

ちょっと実名を出すのが憚られる話ですので、すでに登場している母親の荒木純子以外は仮名で話をします。

私はどこかの公民館に辿り着き、何となくエレベーターに乗りました。すると母親の純子がいる。私は唐突に思い出します。そうだ、今日は純子に会いに来たのだった…。そして「純子は生け花教室に通っていたものな」と思い出します。(それは夢の中だけの設定。実際には通ってません)

混んでいるエレベーター内で、純子はなかなか話し出そうとしません。その時点で私にちょっとした緊張が走ります。私と嫁のあいだでは常識ですが、純子は一人で居ても空間に延々喋り続けるのではないかというほどのおしゃべりです。そんな純子が話すのを躊躇うとは…。不安が高まります。そしてエレバーターから人が居なくなりました。絵にするとこんなです↓

…わかってます。広すぎですよね。でも夢に見た景色はこんな感じだったのです。しかも今思うと「いつまで上ってんだ」ってほど延々と上昇していましたが、そこは夢なのでスルーです。

「T子と連絡が取れない」
母親の純子がポツリとこぼした言葉がそれです。T子は私の姉で、いまはMさんのところに嫁に行き、2女を設けています。その姉が音信不通・・・。Mさんの会社にかけても「もう数日出社していない」と言われる、家に行ってもモヌケの空、夜逃げ…?という状況です。

可愛がっていた孫たちもいなくなってしまった。いまはお父さんと二人でいても会話も無い。平和な日々は、アッと言う間に過去になってしまった…。そして母は続けます。
「それでも、生け花をしてるときだけはフッと忘れて夢中になるときがあるのね。花を生けて、顔を上げると夕日は相変わらず綺麗で…そうして『早く帰ってこの花をT子に見せたいな』って思うと急に『もうT子はいないんだ』って思い出して、そうしてかえって辛くなるのよ…。」

押し黙って夕日を眺める二人。そんなふたりを連れて、エレベーターはどこまでも上昇していくのだった…。

…夢の話はこれで終わりです。もちろん実際には姉夫婦たちには何の異常もなく、平和な日々だったわけですが、こんな夢を見たことをすっかり忘れた一年後くらい、姉夫婦の家に遊びに行ったとき、「夫のMさんが一時期調子を悪くして、いっさい家に帰って来なくなり、カプセルホテルで寝起きしていた」という話を聞いて、私はその話の、夢との相似に驚きました。時期的にも、私があの夢を見たのとほぼ同時期だったのです。

まあ誰にでもひとつふたつある、偶然の一致の話に過ぎません。しかしあの時は結構そら恐ろしい気分になったものでした…。

刺客データ9:世にも奇妙な純子

刺客データ9:世にも奇妙な純子

別に珍しくもない話ですが、自分は人と話す際、「純子」「三郎」と両親のことは呼び捨てなので、自分の身の回りの人もそれに影響されて、私の両親を呼び捨てにする人が多いです。いいですけど…。高校の時、友人みなが「三郎元気?」「三郎どうしてる?」とか俺をからかって、ついには俺のあだ名が「三郎」になってしまった時もありました。でも両親ってホント照れくさいですよね。親の「いい呼び方」を見つけられないまま、俺も大人になってしまいました。

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