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『劇場版HUNTER×HUNTER〜緋色の幻影〜』
番外編『あの時の佐藤雄三監督』

佐藤 机を整理していたら、こんな物が出てきたんです。バンバンと呼ばれはじめた頃の写真です。

―― おお。第一回のインタビューでお話した「ばんばひろふみ」に似ていた頃ですね。なんというか……突っ込みどころ満載の写真ですね。

佐藤 たとえば?

―― まず時代が古過ぎるのではないかと。1983年ぐらいじゃないですか?

佐藤 ほほっ、どうして?

―― 周りを歩いている人が原色のダウンジャケットを着ていますよね。これが流行ったのがそのあたりじゃないかと。

佐藤 惜しいですね。これは1980年。僕が20歳の時ですよ。

―― おおっ。お若い…。あとは場所! これがさっぱり分かりません。後ろの地図はボケて見えないし、掲揚されているのは日の丸のようですし、観光地ということは間違いないと思うのですが……。右側のコンクリート打ちっ放しの建物も、これだけでは判断が……。

佐藤 う〜ん。日本であることは間違いないのですが……これは僕も忘れてしまったんですよ。サービスエリアで撮ったのは覚えてますけど。

―― なるほど。それにバンバンさん、これ何を食べてらっしゃるんですか?

佐藤 イモですね。なんででしょう。覚えてないんですけど……。

―― ……先ほどから写真を拝見していて、もうひとつ突っ込みたいところがあります。この右手前でバンバンさんをシャッターするようにいる方。凄く気になるんですが、この距離感からして、お仲間ですよね?

佐藤 ああ! そうそう。これは覚えてます。ですね、波多野(恒正)さんっていって、サンリオのプロデューサーなんですよ。

―― なるほど、なるほど。

佐藤 マッドハウス作品にも多数携わっている特効(特殊効果)谷口久美子さんの旦那さんです。

―― ……ええっ!? そうなんですか! で、この写真は仲間に声を掛けられた瞬間を捉えたスナップですね。

佐藤 ええ。そうですよ。納得しましたか?

―― いや、一番の突っ込みどころがまだ残ってますよ。この写真のバンバンさん、凄いスリムじゃないですか! 今と随分違うのでは!?

佐藤 あはは! まあそうですね!

 

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