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岩波ジュニア新書 「アニメ! リアルvs.ドリーム」
◆ 2013年1月22日刊行に関する、ご挨拶 ◆

   初めてご挨拶いたします。マッドハウス社長の岡田浩行です。

   マッドハウスに日頃から関心を寄せていただいている皆様に、まず厚く御礼を申し上げます。おかげさまで、マッドハウスは健在です。ありがとうございます。元気ついでに岩波書店さんから本を出してもらえることになりました! ヤッター、という感じです!どうして、かような、ありがたいことに、なったのか? 以下、お話し申し上げます。

   アニメ業界は絶好調でしょう? なんたって「クール・ジャパン」の代表選手ですから。
   テレビ局からマッドハウスに出向してから、何度も言われた言葉です。その言葉はテレビ局で働いていた頃の私自身の認識と全く同じです。アメリカでもフランスでもインドでも中国でも日本のアニメの登場人物(キャラクター)に扮した(コスプレ)アニメ愛好家がイベントに殺到し、アニメの主題歌(アニソン)を集団で熱唱するニュース映像が度々流れます。世界中を興奮させる日本アニメが絶好調でないわけがない!
   そう思っていた私は浅はかでした。経営不振に陥っていた会社を再起させるために多くの社内外関係者の話を聞きました。同時に売上や制作経費なども調べました。それでわかりました。日本のアニメ業界はたいへんなことになっている!
   ココロをいれかえた私は「おおかみ」に変身し、マスコミ関係者や知り合いの方々など、手当り次第に「アニメはたいへん」と吹聴しました。その一連で岩波書店の有志の方が主宰される勉強会から声がかかり、私と武井風太君が『アニメ! 鉛筆と紙のロマン』と題したレポートをさせていただきました。
   レポートは「アニメの歴史的流れ」と「アニメを取り巻く環境」で構成し、資料映像をふんだんに用意し、かつ、アニメ初心者の私と自称アニメオタクの武井君が掛け合い漫才のように進行するものでした。参加者の方からの鋭い質問もあり、レポートとその後の懇親会で半日以上しゃべりまくりました。二人の熱意が評価されたのでしょうか、岩波ジュニア新書でレポートを再現して欲しいというリクエストをいただきました。
   出版にあたり、掛け合い漫才をより大げさにすることにしました。私、岡田はテレビ局出身でアニメ制作会社に社長としてやってきた、アニメには不案内なキャラクター「ヒロ」を演じています。武井君は子供の頃から熱狂的なアニメファンで、アニメのことなら何を聞いても答えられるオタク「フウタ」を演じています。
   私は元々テレビマンですが、日々アニメが好きになっています。五十歳を超えてからの「老いらくの恋」のようなものです。岩波ジュニア新書「アニメ! リアルvs.ドリーム」を読んだ皆さんが、今までよりも少しだけアニメが好きになり、「日本のアニメ、ガンバレ」と声援を送ってもらえるのなら、こんなに幸せなことはありませんし、私の恋も無駄ではないのでしょう。
   是非、一度はお手に取ってください!

岡田 浩行

P.S. 岩波ジュニア新書「アニメ! リアルvs.ドリーム」にあたり、マッドハウスのホームページでは記念企画を展開します。新書のエッセンスを一足先に公開します!

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