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岩波ジュニア新書 「アニメ! リアルvs.ドリーム」
◆ 第4回 原画について ◆

   第4回となる今回は、原画についてお話します。
   まず、今までの流れを下の工程表でおさらいしてみましょう。

   絵コンテ→レイアウト作成→演出チェック→(監督チェック)→作画監督チェック→総作画監督チェックという流れで紹介してきました。
   原画は動画を描くための重要なポイント、今までの工程で修正してきたものの集大成となります。
   この線がふにゃふにゃしていたり、ちゃんと描けていなかったりすると、動画さんが困ってしまいます。
   原画の作業者は、レイアウト作業した原画マンか、スケジュールによっては第二原画として、違う原画マンに作業して頂きます。
   でも、やっぱりレイアウト作業して頂いた方に作業してもらえるのが、一番安心できますね(笑)
   では、以下の原画を見てみましょう。

   綺麗ですねー!白黒で説明してきているので分かりづらいですが、影やハイライト(明るく光る部分)も丁寧な色線で描くので、本当に整った絵になります。
   ここで、絵の左側に描かれている線が引かれているものが気になりませんか?
   これは詰め指示といって、動画さんに向けて原画と原画の間を、どう言う風に・何枚描いて欲しいかを描いた指示になります(中割り)。
   この絵はA6と言うものですが、この前の原画A5からA6までの間の動画を、どう描いて欲しいかを指示してあります。

   上の絵はタイムシートと言います(クリックで拡大)。この絵では下の部分は切れていますが、一枚のタイムシートで6秒間の動きを指示することができます。
   このコラムでは紹介しませんが、撮影さんへの指示やフレームの移動の指示などはこちらに描いてあったりします。
   A5とA6が原画で、その間の点々が中割りになります。ここでは中4枚必要ということですね。

   人間や動物など、基本的に等速で動いていない物に抑揚をつけたい時、先ほどの詰め指示を使ったりします。
   上の絵だと尻尾の部分がその対象ですね。
   ここからは中割りの話になってくるので、その具体的な話は動画編で詳しく説明したいと思います。

   と、言うわけで今回はここまで!
   次回は最終回!動画についてお話したいと思います。

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