SPECIAL
BACK
岩波ジュニア新書 「アニメ! リアルvs.ドリーム」
信州岩波講座 〜高校生編〜
◆ 信州岩波講座 〜高校生編〜 講演後の感想 ◆

岡田「いやあ…心洗われたね」
武井「え? 温泉には入ってないですけど?」
岡田「違うよ。高校生だよ」
武井「社長、まずいでしょう。高校生って、条例違反ですよ」
岡田「何を言ってるんだ! 講演だよ、講演」
武井「えっ? 公園でですか!? 条例違反ですよ」
岡田「馬鹿な話はここまでだ! 11月5日の須坂市での講演だよ!」
武井「ああっ! 信州岩波講座〜高校生編〜の話ですね!」
岡田「そう!」

   人口5万2千人強の市に県立高校が4校もある須坂市は教育に熱心である。信州岩波講座の高校生編の実行委員会は市内の4つの高校の生徒で構成される。今年の実行委員は22名で運営される。大人のバックアップがあるとはいうものの、高校生たちの討議で講師が選定され、準備と当日の運営が行われるということだ。
2013年11月5日(火)、『アニメ! リアルvs.ドリーム』のテーマで講演するために、マッドハウスの岡田浩行と武井風太は須坂市のメセナホールに参上した。その玄関ホールでは実行委員の高校生たちが出迎えてくれた。心温まる「おもてなし」だ。

武井「高校生のお迎えなんて、人生で初めてでしたよ。ほとんど女子高生で、それも驚きでした」
岡田「1983年上海郊外、見学に行った人民公社で、保育園児に出迎えられて以来だ!」
武井「また、中国ネタですか…このあと我々は先生と呼ばれたんですよね。そんな風に言われたのも、新鮮でした」
岡田「1983年上海郊外、人民公社でも黒板に歓迎、岡田先生と書かれてたなあ」
武井「早く日本に戻ってきてください…」

   岡田は齢53、高校生たちは実の子供と同年代である。家庭での日常生活で世代の違う会話の難しさを痛感している。武井にしても高校生たちとは一回り以上の年齢差がある。講演はうまくいくのだろうか? マッドハウスの想いは伝わるのか? 岩波ジュニア新書の『アニメ! リアルvs.ドリーム』は勢いで執筆した。その後の購読者対象の「マッドハウス リアルツアー」もマッドハウスへ来て見学していただくという企画で、ホームの強みがあった。でも、今回は全くのアウェイで、しかも壇上から話すという距離感もある。
杞憂だった。

   武井「須坂の高校生達は本当にしっかりしてましたね。何より『自分の言葉』で話ができることには驚かされました」
岡田「そうだね、こちらからの質問に対する受け答えもしっかりしていた」

   壇上に実行委員の代表4名に上がっていただき、随時感想を聞きながら進行するという工夫も用意した。まず、この4名の感想が的確だった。自分の言葉で感想を話すことができることが素晴しかった。さらに、通常は寂として声なしの講演後の質問コーナーでも、会場の高校生から内容の濃い質問が複数あった。

武井「でも、時間は足らなかったですね」
岡田「そう、用意した内容の3分の1しか話せなかったね」
武井「もっと話をしたかったですね。主に『カードキャプターさくら』について…」
岡田「はにゃ〜んね!」
武井「会場の皆さんに『カードキャプターさくら』を見たことがある人、と質問したら、実に多くの人が手を挙げてくれました。同胞の志を感じました!」

信州岩波講座 〜高校生編〜

   岩波ジュニア新書の内容に沿って講演する予定で準備していたが、高校生の関心がアニメ制作の現場の実情であることがわかり、その点を重点的に話した。絵の上手い下手ではなく、作品ごとに設定した登場人物のキャラクター(容姿)に統一するために地道な作業を丁寧に行っていることが日本アニメの強みであることを高校生たちに伝えた。また、アメリカでは手描きのアニメは制作されておらず、ディズニーを含めて全てCG(コンピューター)で制作されている現状を報告すると同時に、手描きだからこそ誇張できる表現方法の優位性も力説した。取材で来場していた信濃毎日新聞の記者さんにはこの点が最も印象的だったようだ。

岡田「講演後に三木正夫須坂市長もご挨拶にみえて、高校生育成の熱意を感じました」
武井「講演後といえば、懇親会はまた燃えましたね」
岡田「アニメくんはアイドル状態だったね!」
武井「だって、オタクの子が一杯だったから、嬉しくて…」
岡田「アンケートをとってアニメベスト3を決めたよね。1位は『Free!』だったね」
武井「女性が多かったことが見事に反映されたアンケートでしたね。他にも『デュラララ!!』や『しろくまカフェ』など女性人気の高い作品が入っていました。『少女革命ウテナ』にあまり反応がなかったのが悔やまれます!」

信州岩波講座 〜高校生編〜
信州岩波講座 〜高校生編〜

岡田「最後の記念写真の時はやっぱり『進撃の巨人』のポーズをみんな取るんだね」
武井「心臓を捧げるポーズですね。みんなノリがよかったですよね。楽しかったなあ」
岡田「アニメに対する関心は東京以上かもしれないのに、『ちはやふる』とか『ダイヤのA』とか放送されていないのはつくづく残念な気がしました」
武井「見てもらえれば必ず喜んでもらえる作品だけに、惜しい気がしました」
岡田「マッドハウスで制作した作品は全国の高校生に見て欲しいですね」
武井「同感です」

ページの先頭へ戻る