―― 本作はCLAMPキャラクターが総登場という作品になります。それぞれの作品に個性がありますが、そのあたりまとめるのには苦労されたのではないですか? 増原 キャラクター同士の刷り合わせに関しては、キャラクターデザイン・作画監督の加藤(裕美)さんに上手くやっていただきましたので、私の方での苦労はあまりなかったです。ただ、台詞がない作品なので、全て表情なり、芝居なりでキャラクターのイメージを表現しないといけないんですね。これには気を遣いました。
―― これまでアニメ化された作品も多いですが、そういった作品を参考にされたりしたんですか? 増原 ええ。一通り見ました。でも、参考にしたというより、「外しどころ」を見極めるために見ていたという感じでした。先ほど、キャラクターのイメージを表現しないといけないと言いましたが、逆にハメをはずしてみたところもあるんです。例えば『東京BABYLON』の星史郎さんは、今回かなりコメディ色の強いキャラクターとして描いています。こういった、従来のアニメ版で描かれていないような側面も見られるようにしたかったんです。でも大本を把握しておかないと、キャラクター性を外しているつもりでも、実は全くそうではなかったという事もありえますからね。
―― 本作で初めてのアニメ化作品もありますね。 増原 「すき。だからすき」と「合法ドラッグ」。それから「こばと。」といった作品ですね。例えば、こばとは、あの花柄。「あれがないとこばとではない!」という勢いをもって、挑んだところです。
―― なるほど。他にもこだわりどころが満載の作品だと思いますが、なかでもここを見て欲しいというところはありますか? 増原 モコナの可愛さ(と言いつつ笑顔)。これは見所です。あれを見てるとね、なごむと思います。それから、やっぱり音とのシンクロかな。音合わせは本当に大変でした。ひたすら24分の1秒のコマ合わせをやっていましたよ。まあ、自分は音合わせが好きなので(笑)。
―― エンディングは本編と一転してゆったりした雰囲気ですね。 増原 あれは兼森(義則)さんがひとりでやられているんですが……そうですね、兼森さんの発案で、自分のこだわりでもある部分で言うと、ラストカットに出てくるCLAMPさんのサインですかね。『WONDERLAND』の時もやっていたんですが、『2』でもやってみようと。これはCLAMPさんにお願いして、わざわざ起こしていただいたんですよ。本当にありがたかったです。デジタルになったんでちょっとやりやすくなったんですけど、字の載せ方なんかも一工夫してみました。見ている人には分からないぐらいのこだわりですが(笑)。これはもう、様式美かなと。最初の場面で桜が散ってたりするのも、CLAMP&マッドハウス作品らしい様式美ですね。
―― それでは、最後に読者に一言いただけますか? 増原 目まぐるしい展開で、情報量も多いので、何回も見てちょうどよくなる作品だと思います。最低3回。
―― ノルマを課すんですか(笑) 増原 まあ、それぐらい見て欲しいという事ですね。目が追いつかないのであればコマ送りしてもらって。噛めば噛むほど味がでる作品になっていると思います。