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荒木哲郎の夢と26人の刺客
■刺客その4 『 ヨメ 』

皆さんこんにちは。
今日お話する夢は私が見た夢ではなく、私のヨメが見た夢です。
彼女は「肥田文」名義でアニメの編集をやっており、私が監督した「デスノート」をはじめ、「ドルアーガの塔」や「しゅごキャラ」「トップ2」など、数々の素晴らしい作品に関わっていますが、これからお話する内容には、それは全く関係ありません。

この話は私が聞いててなかなかにウケた、くだらない夢です。
まずその夢で、彼女は私と二人、タクシーに乗り込んだそうです…。

私はタクシーに乗り込むや否や、即座に「あるもの」に目を付けました。

それは「そなえつけのピーマン」です。

…なにそれと言われても知りませんよ私は。彼女の話によると、
大概のタクシーにはその「そなえつけのピーマン」が置いてあり、
お腹が空いてる客は、それをつまんだりするのだそうです。そして大抵、ありがちなツナマヨで和えてあるもので、人は普通その味に大した期待を抱かないものなのです。…と言っていました。
ふーん…そうなんだ…。
さて、そのピーマンに、私は乗るや否や早速手を伸ばしました。

そしてポリポリと食いながら、「こないだこれ超うまかったんだよー」
と言うのだそうです。

…普通、大したものでない「そなえつけのピーマン」に、私はたいそう思い入れがあるらしく、実にうまそうに食べています。そうまで言われると、嫁もピーマンに興味が湧いて、いつもは手を伸ばさないそのピーマンを食べてみることに。すると、言われてみると何となくうまい気がして、彼女は何気なしに「うん、うまい」と言いました。

すると私は

「ちがうちがう。俺こないだ超ハラ減っててさー」

と否定してきます。どうやら私が言いたいのは、「ピーマンがうまい」のではなく、あくまで「こないだハラ減っていたから、こんなそなえつけのピーマンすらうまく感じた」という話らしいです。
ヨメはなんだか面倒くさくなって「ふーん」とあしらいましたが、その後「ハッ」とあることを思い出し、こう叫びました。

「紳介さんにうどん渡すの忘れてた!」

…紳介さんとは、あのタレントの島田紳介です。夢の中では親しいらしいです。意外な急展開。
彼女は紳介さんに「うどん20人前持ってきてくれや」と頼まれており、そのことをすっかり忘れてタクシーに乗り込んだようなのです。彼女は「いかん!」と車を降ります。

ちなみにもうその夢の中に私はいません。

彼女は車を降りるや否や、すぐさま最寄のうどん屋に駆け込み、
「うどん20人前ください」と言いました。するとうどん屋は
「6万円です」と応じてきます。

彼女は思います。「高い!」

そうして店を飛び出した彼女は、「もう自分で作ろう」と決めて、材料を買いに100円ショップに入ったのだそうです。そうしてうどんや揚げ玉などを選んで、さあ帰ろうと店を出て、彼女は驚愕します。

「バイクがない!」

乗ってきたバイクが(タクシーで来たのでは?)盗まれて、彼女は100円ショップの前で「くっそー」と悔し涙を流したのだそうです…。

…結構、私の思う「夢のおもしろさ」のポイントを押えていて、好きな話です。
いやむしろ私は、夢のあるべき姿を彼女に教わったのかもしれません…。もしくは時間の無駄だったのかもしれません。

刺客データ4:ヨメ

刺客データ3:ヒラオくん

自分は2年ほど前に結婚をして、いまは彼女と二人で暮らしています。その生活を通じて、自分は多くのことを学びました。たとえば、案外、都会の空を鴨が飛んでいたりするということ。薔薇には年中咲く「四季咲き」と、春と秋の「二季咲き」とがある、いうこと。身体のホクロの位置は移動する、ということ。「シレン」攻略の秘訣は、序盤にいかに「ねだやしの杖」の本数を増やしておくかにかかっている、ということ。等々…。
これからも沢山教わることでしょう。面白いもんです。

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