現在絶賛公開中のアニメミライ作品『デス・ビリヤード』。
ここでは、本作についてよく質問を受けるアレコレを、まとめて立川監督にお答えいただきました!
Q:デス・ビリヤードはマッドハウスらしい作品と言われますが、どこが「らしい」のでしょうか。
A:マッドハウスというと子供向けというよりは、川尻善昭監督のようなダークでスタイリッシュなイメージを抱いている方が多いのではないでしょうか。
今回特別マッドハウスらしさを意識したわけではありませんでしたが、結果的にそれらしい作品になりました。
Q:タイトルに「デス」とつけたのはなぜですか?
A:命の駆け引きという部分を強く打ち出したかったからです。
実は、「No.8」や「〜ショット」のようなビリヤードにちなんだタイトル案も考えていました。
Q:アニメーター育成というところで気をつけた部分は?
A:今回の若手アニメーター7名のうち、5名は初原画でした。
今後に活かしてもらうため、日常芝居をメインにやってもらっています。
一番気をつけた部分はレイアウトです。
バーを円形にした上に中途半端に広くしたことで、パースの取りづらい空間にしました。
そしてレイアウトの難易度が高いカットを絵コンテの段階で作りました。
また、スライド(背景などを引く手法、足下を見せなくてもキャラクターが動くように見える)が使えない動きを多くしたり、広角や望遠などを含めたレンズを意識した構図にしたりといったことも勉強のための意味合いが強いです。
計算が必要なレイアウトを描いてもらうことで、実力をつけてもらおうと思ったんです。
Q:なぜビリヤードという題材を選んだのですか?
A:ただ戦うのは面白くないので、メリハリや戦略性のあるゲームにしたかったんです。
その中でもビリヤードを選んだのは、打っている時のポーズや構図がかっこいいからですね(笑)。
あとビリヤード台と人物の対比がごまかせないのも難しいポイントの一つでもあります。
Q:最後のおじいさんの行動が謎なのですが、どう捉えればよいのでしょうか?
A:一応意図としては視聴者にとって「鏡」として機能するカットのつもりです。
視聴者によって意味が変わってくるカットなので自由に捉えてもらえればと思います。
一種のリドルストーリーですね。