BACK
BACK
監督のまっすーが、制作現場についてお話するよ!
<戻る
第5回 『若おかみは小学生!』の
絵コンテで僕が気をつけていること
2018年5月4日

みなさんこんにちは!おはよう?こんばんは?
もうテーマソングは覚えたかな!?
僕は毎日ウキウキ歌っているよ! 歌もアニメも元気になって楽しいね!

えーと、前回の続きで、もうちょっとだけ絵コンテについてお話するね!
みんな、絵コンテがどんなものかわかったかな!?
今日はお話を掘りさげて、僕が『若おかみは小学生!』の絵コンテを描くときに気をつけていることをお話するよ!

テレビアニメはだいたい30分の枠で放送されるけれど、『若おかみは小学生!』は15分の枠だよね? これはアニメ本編の長さ(長さのことを「尺」と呼んだりするよ!)が短いってことなんだ! そして、尺が短いと、その短い時間の中にお話をギュっと詰め込まなきゃいけないから、色んなことに気をつける必要があるんだよ。

どんなことだと思う? わかるかな?? 例えば「お話をテンポよく進める」ことがひとつあるんだ! 映像やお話をトントンとテンポよく切り替えないと、限られた時間のなかで、「起承転結」を作ってお話を終わらせることができないんだ。だから、ひとつのシーンで最大限にキャラクターの性格や関係性がわかるように、いっしょうけんめい考えながら作ったんだよ。
2話でおっこちゃんがあかねくんを発見するシーンをみんな覚えているかな? おっこちゃんは、あかねくんに気づくと、すぐに駆け寄ったよね? これはね、困っている人を放っておけない優しいおっこちゃんの性格が、アニメを見ているみんなに短いシーンでも伝わるように、ちょっと工夫したところなんだ。おっこちゃんは最初元気がないけれど、本当は明るくて活発な女の子だからね。

他にも、1話でおっこちゃんがひとりでバスに乗っているシーンは覚えているかな?
おっこちゃんは「ぽーっと、どこか宙を見つめて」、ひとりでバスに乗っていたね。

このときは、おっこちゃんのセリフはないけれど、表情や、床に「かかとがつかないまま」で宙ぶらりんの足元を見せることで、おっこちゃんの「不安定な」気持ちを表現したんだよ!
アニメは時間の制限があるから、登場人物に小説みたいにたくさん喋らせることはできないんだ。でもその分、セリフ以外の映像で、キャラクターやそのシーンの意味が伝わるように工夫することはできるんだ。そういう「効果的な場面」を考えるのが、絵コンテで行う作業なんだ。

『若おかみは小学生!』はね、おっこちゃん達キャラクターのこころの動きがとっても大切な作品なんだよね。ウリ坊も幽霊だけど、人間のこころを持った優しくてあたたかい性格だよね? 幽霊が出てきてちょっぴり不思議なことも起こるけど、大事なことは、ささやかな日常生活でのみんなのこころの“きび”なんだね。

次回はキャラクターデザインの話をするよ。お楽しみにね!
MADHOUSE
MADHOUSE